第11章

島宮雪乃はブレスレットを手に取り、じっくりと観察した。

「間違いないわ、これが『女神の心』よ」島宮雪乃は淡々と言った。

「島宮さん、よく確認してね。このブレスレットは本当に十六億円の『女神の心』なの?」和谷瑞希は再度確認した。

「嘘をつくわけないでしょう?私はプロのジュエリーデザイナーよ」島宮雪乃は自信に満ちた表情を浮かべた。

「島宮奈々未、もう言い訳できないでしょう?会社の物を盗んでおいて、まだ白を切るつもり?」和谷瑞希は得意げに島宮奈々未を見た。

「だから言ったでしょ、これは彼氏からもらったものよ!」島宮奈々未は依然として主張を変えなかった。

「彼氏?あなたのその貧乏くさい彼...

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